Things to know about Kyrie Irving trade


昨年夏、Nike のプロモーションで来日していた Kyrie Irving が次の目的地へ向かった直後、トレード志願の噂が流れてNBA業界とファンを驚かせた。その報道は事実で、最終的にボストン・セルティックスへ移籍することに。

選手側のトレード要求がリークされた場合、買い手市場になってしまう。そのため、Isaiah Thomas と Jae Crowder に加えて、ブルックリン・ネッツの2018年1巡目指名権などを獲得できたことはクリーブランド・キャバリアーズにとっても悪くない取引だと思われた。

ところが、トレードの背景が明らかになるにつれ、真意も見え始める。まず最初に知っておきたいのは、Irving が唐突にトレードを志願したわけではなく、そうさせるきっかけがあったこと。ESPN の報道によれば、Paul George と Carmelo Anthony のクリーブランド加入がいったん内定し、取り消されていたという。そして、Irving 本人が明かすにはキャバリアーズ側のトレード候補は彼であり、その裏切りが最終的な引き金だった。

ここで疑問がわく。Irving の代わりが Paul George と Carmelo であれば、即戦力かつ戦力強化の意味では、優勝を唯一のゴールとする LeBron James の意向にも沿う。話題性も文句ない。一方、Crowder は即戦力のロールプレイヤーなものの、療養中だった Isaiah Thomas と1巡目指名権ではすぐに優勝を狙うなら大幅な戦力ダウンだろう。なぜ、キャバリアーズは妥協したのか。優勝できなければ LeBron が移籍してしまう可能性もあるのに。

そのヒントが Paul George とCarmelo の加入が取り消されたことと、その後に Irving がキャバリアーズの上層部に伝えたとされる発言内容にありそうだ。トレードの駒にされかけて吹っ切れた Irving は『トレードしなかったら手術で全休する』と挑発したという。これがハッタリではなかったすれば、すべての辻褄が合う。

手術を必要とする慢性的な持病こそ、インディアナ・ペイサーズとニューヨーク・ニックスがトレードを取り消した理由ではないのか。つまり、キャバリアーズとセルティックスもそのリスクを承知の上で、ケガ人同士をトレードしたのではないのか。Irving が手術でプレイオフを全休することになったのは単なる不運ではなく、あらかじめ最悪のケースとして予想されたことだったのかもしれない。

もちろん、Irving のトレードはケガだけに起因するわけでもない。彼がキャバリアーズ内での役割に不満を抱いていたのも事実。また、ヘッドコーチの Tyronn Lue が試合のテンポを上げるよう彼に指示したところ、『それは LeBron の仕事』だと拒否されたという話も。それでも、本人は『クリーブランドの優勝メンバーは永遠に壊れない絆で結ばれている。自分の子供にも自慢したいこと』だとも語っており、複雑であることを最後に付け加えておこう。







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