The origin of BEAT LA


NBAの試合を観戦していると、チームごとに異なる応援の掛け声も覚えてくる。その中でも有名な掛け声は「Beat LA」だろうか。ロサンゼルス・レイカーズをホームに迎えたチームのファンが大声で合唱し、憎き Kobe Bryant を煽る意味もあったかもしれない。

つい最近の出来事で言えば、クリッパーズは同じロサンゼルスであっても「Beat LA」に相応しくないといった議論が注目を集めた。そもそも「Beat LA」の起源を振り返れば、どちらの使い方も実は間違っている。

レイカーズとボストン・セルティックスのライバル関係が過熱していた1982年のプレイオフ、セルティックスはカンファレンスファイナルでフィラデルフィア・セブンティシクサーズと対決。多くのNBAファンがレイカーズとセルティックスのファイナルを期待する中、シクサーズが敵地ボストンでの第7戦を制す。



そのとき、セルティックスのファンがシクサーズの選手に向けて送った声援こそ、「Beat LA」だった。自分たちの代わりにレイカーズを倒してくれ。つまり、レイカーズへ直接的に闘志をぶつけるための声援ではなく、戦友へ向けた温かいメッセージであり、当時のシクサーズでプレイしていた Julius Erving が今でも涙ながらに思い出すほどの歴史的な意味をもつ。いずれにしても、レイカーズが強豪であってこその「Beat LA」なのは間違いないだろう。

偶然にも先日、今季で幕を閉じる日本のプロバスケットボールリーグ、NBLの試合でもまったく同じ出来事が起こった。プレイオフ準決勝で敗退したリンク栃木ブレックスのファンが相手の東芝ブレイブサンダース神奈川へ声援を送ったのだ。その場にいた選手やファンはこの瞬間を一生忘れない、Julius Erving がそうであるように。


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