Final Chapter of LeBron's Book in LA


現役時代に4度の優勝を達成した Shaquille O'Neal は自身のキャリア終盤を振り返ってこう語る

引退が近づいてきたときに再び自分を証明しようと、優勝にこだわったのは失敗だった。昔、とある人に言われたよ。「お前の本は完成済み。索引ページなら書き足せるかもしれないけど、もう完成してるんだよ」ってね。LeBron も同じ。彼はすでに過去の偉大な選手たちを追い抜き、Michael Jordan と肩を並べる存在だ。4つ目、5つ目のリングを獲得しても、それはオマケの索引ページに過ぎない。

LeBron James はマイアミ・ヒートへ移籍したときも、クリーブランド・キャバリアーズへ戻ったときも、優勝を唯一の目的に掲げていた。とくに2014年から2018年までのクリーブランド時代は彼個人がフランチャイズだったようなもので、優勝という至上命令からは逃れられない。昨季の孤軍奮闘、満身創痍な活躍がまさにそれを物語っている。そんな彼を見て、誰もが不安に思ったはずだ。このままでは潰れてしまうと。

故郷のクリーブランドでプレイする限り、彼が背負った使命や責任、ファンの期待は変わらない。チームもそれに応えるために投資し続けるだろう。しかし、Shaq が語るようにもはや優勝に取り憑かれる必要はない。引退へ向けてゆっくりと、別の何かを模索してもよい時期だ。

LeBron もそう感じているのか、ロサンゼルス・レイカーズへの加入を決めた今回は優勝への焦りがない様子。4年という契約の長さからも、長期的な視点を前提に移籍したことがわかる。また、ゴールデンステイト・ウォリアーズとのNBAファイナルで4連敗した直後に彼は翌季について、家族のことを考慮して決めると語っていた。

では具体的に今後、彼がロサンゼルスで目指すべきものは何か。たとえば以前、彼は夢のひとつとしてNBAの舞台で息子と一緒にプレイすることを挙げていた。それを実現させるには息子たちの成長に加えて、彼自身が選手生命を可能な限り延ばさなければならないが、良くも悪くも自分を追い込む環境のクリーブランドでは苦しい。

その夢と同時に、40歳前後までキャリアを続けることで実現可能な記録がほかにもある。Kareem Abdul-Jabbar が保持する歴代最多通算得点を更新することだ。そう、ロサンゼルスで成し遂げてこそ意味が増す。球団社長の Magic Johnson をはじめ、多くのスーパースターたちと歩んできたレイカーズにはこうした長期的な目標を支える度量、文化、伝統もあるはずだ。



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