原文:New York Times
普通なら、ヒューストン・ロケッツの James Harden は今シーズン、すべての注目と称賛を集めているはずである。すばらしい得点力、絶え間なく続く効率的なプレイ、バランスのとれたオフェンスパターンは、近代の偉大な選手と比べても見劣りしない。
Harden はまだ、目立たないように努めているだけだ。
スター選手を抱えたオクラホマシティを離れ、ファーストオプションとして過ごした最初のシーズン、Harden はリーグ5位の1試合平均25.9得点をロケッツで残した。スーパーサブとして過ごしたサンダー時代のベスト記録より9得点以上も伸ばしている。
プレイタイムの増加もその要因となっているが、それだけはない。Harden の得点は1分当たり25%以上も向上している。印象的だが、珍しいわけでもない。1986年以降、1試合平均25得点以上のシーズン成績を記録した選手は173人に及び、Orlando Woolridge や Jim Jackson、Purvis Short といった平凡な選手も含まれる。Harden がほかの選手と違う点は、シュートの判断と、高得点を生み出すために必要な攻撃パターンにある。Harden の攻撃パターンは、その75%近くがゴール下とスリーポイントレンジで構成されており、10~23フィートの攻撃は全体の20%以下しかない。
このデータは、ペリメーターの周辺でプレイする超絶スコアラーにはあまり見られない傾向だ。Kobe Bryant と Carmelo Anthony の例がわかりやすく、10~23フィートからのシュートが全体の約35%を占める。フリースロー獲得も狙ったレイアップと、難易度の高いスリーポイントシュートに偏った Harden のプレイスタイルは、60%ものTS%(True Shooting Percentage)を生み出している。
サンダーとのプレイオフ1回戦・第5試合で Harden は、16本のシュート回数と、5本のフリースロー回数で31得点を叩き出し、85.2%という驚異のTS%を残しており、彼の恐ろしいインサイド・アウトサイド攻撃を象徴する最新例となった。
このレベルでの効率は過去の大量スコアラーを見ても稀であり、1986年以降に1試合平均25得点以上を残し、60%という Harden のTS%に並ぶ選手は31人しかいない。そして、そのほとんどがすでに殿堂入りしているか、殿堂入りがほぼ確実な選手だ。
ミスを抑える Harden の能力は、ヒューストンのオフェンスでファーストオプションを与えられているからこそ輝く。
Harden のスキルは今シーズンが始まる前からわかっていたことだが、サンダー時代に終盤のプレイでサードオプションだったことを懐疑的な理由として挙げる人もいた。それらの懸念は解消されている。29.0%という Harden の攻撃参加率(Usage Rate)を超える選手はほかに8人しかおらず、その中でシュート1本当たりの得点が Harden よりも高い選手は元チームメイトの Kevin Durant と、マイアミの LeBron James の2人だけだ。上述した高得点・高効率を記録した31人のうち23人が、27.0%を超える攻撃参加率でそれを達成している。
NBA歴代のスコアラーと比べても希少である。
シュートを決めることは良いオフェンスの一部に過ぎず、プレイを組み立てたり、パスすることもトップスコアラーに求められる重要なスキルだ。今シーズンの Harden が際立っている理由を挙げよう。1試合平均5.8アシストという Harden の記録は良く映るものの、特別に優れているわけでもない。
しかし、ヒューストンのオフェンスがどれくらいの頻度で Harden のプレイによって終わっているのかを考えればわかるように、比較的少ない手数でチームメイトに得点させる彼のスキルは非凡である。25.7%という彼のアシスト率がそれを強調している。ポイントガード以外のポジションでこれだけの数字を残す選手はほんの一握りしかいない。
まとめよう。1試合平均25得点、60%のTS%、27%を超える攻撃参加率、25%以上のアシスト率。この数字の組み合わせがどれだけ珍しいことなのか。とくに Harden ほどの若い選手が達成したことにどれだけの意味があるのか。以下に、1986年以降でこれら4つの数字を達成した選手を挙げる。
これが、James Harden の属するチームだ。
普通なら、ヒューストン・ロケッツの James Harden は今シーズン、すべての注目と称賛を集めているはずである。すばらしい得点力、絶え間なく続く効率的なプレイ、バランスのとれたオフェンスパターンは、近代の偉大な選手と比べても見劣りしない。
Harden はまだ、目立たないように努めているだけだ。
スター選手を抱えたオクラホマシティを離れ、ファーストオプションとして過ごした最初のシーズン、Harden はリーグ5位の1試合平均25.9得点をロケッツで残した。スーパーサブとして過ごしたサンダー時代のベスト記録より9得点以上も伸ばしている。
プレイタイムの増加もその要因となっているが、それだけはない。Harden の得点は1分当たり25%以上も向上している。印象的だが、珍しいわけでもない。1986年以降、1試合平均25得点以上のシーズン成績を記録した選手は173人に及び、Orlando Woolridge や Jim Jackson、Purvis Short といった平凡な選手も含まれる。Harden がほかの選手と違う点は、シュートの判断と、高得点を生み出すために必要な攻撃パターンにある。Harden の攻撃パターンは、その75%近くがゴール下とスリーポイントレンジで構成されており、10~23フィートの攻撃は全体の20%以下しかない。
このデータは、ペリメーターの周辺でプレイする超絶スコアラーにはあまり見られない傾向だ。Kobe Bryant と Carmelo Anthony の例がわかりやすく、10~23フィートからのシュートが全体の約35%を占める。フリースロー獲得も狙ったレイアップと、難易度の高いスリーポイントシュートに偏った Harden のプレイスタイルは、60%ものTS%(True Shooting Percentage)を生み出している。
サンダーとのプレイオフ1回戦・第5試合で Harden は、16本のシュート回数と、5本のフリースロー回数で31得点を叩き出し、85.2%という驚異のTS%を残しており、彼の恐ろしいインサイド・アウトサイド攻撃を象徴する最新例となった。
このレベルでの効率は過去の大量スコアラーを見ても稀であり、1986年以降に1試合平均25得点以上を残し、60%という Harden のTS%に並ぶ選手は31人しかいない。そして、そのほとんどがすでに殿堂入りしているか、殿堂入りがほぼ確実な選手だ。
ミスを抑える Harden の能力は、ヒューストンのオフェンスでファーストオプションを与えられているからこそ輝く。
Harden のスキルは今シーズンが始まる前からわかっていたことだが、サンダー時代に終盤のプレイでサードオプションだったことを懐疑的な理由として挙げる人もいた。それらの懸念は解消されている。29.0%という Harden の攻撃参加率(Usage Rate)を超える選手はほかに8人しかおらず、その中でシュート1本当たりの得点が Harden よりも高い選手は元チームメイトの Kevin Durant と、マイアミの LeBron James の2人だけだ。上述した高得点・高効率を記録した31人のうち23人が、27.0%を超える攻撃参加率でそれを達成している。
NBA歴代のスコアラーと比べても希少である。
シュートを決めることは良いオフェンスの一部に過ぎず、プレイを組み立てたり、パスすることもトップスコアラーに求められる重要なスキルだ。今シーズンの Harden が際立っている理由を挙げよう。1試合平均5.8アシストという Harden の記録は良く映るものの、特別に優れているわけでもない。
しかし、ヒューストンのオフェンスがどれくらいの頻度で Harden のプレイによって終わっているのかを考えればわかるように、比較的少ない手数でチームメイトに得点させる彼のスキルは非凡である。25.7%という彼のアシスト率がそれを強調している。ポイントガード以外のポジションでこれだけの数字を残す選手はほんの一握りしかいない。
まとめよう。1試合平均25得点、60%のTS%、27%を超える攻撃参加率、25%以上のアシスト率。この数字の組み合わせがどれだけ珍しいことなのか。とくに Harden ほどの若い選手が達成したことにどれだけの意味があるのか。以下に、1986年以降でこれら4つの数字を達成した選手を挙げる。
これが、James Harden の属するチームだ。
Tips to translate
- manage to = 何とか~する
- under the radar = 目立たないように
- mere mortal = 平凡な選手
- set apart = 引き立たせる
- put to rest concerns = 懸念を解消する
- a handful of = 一握りの~
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