The Sleeve Settles In

原文:New York Times


ボストン・セルティックスの Kevin Garnett が腕を引っかけたことによって、ニックスの Carmelo Anthony が肩を捻挫した。その患部を固定するためのサポーターはまさに、Anthony の体を飾る最新の鎧だ。本物のタフネスを示してきた選手でも、それは必要なものだった。一方、NBAの選手たちがユニフォームとシューズだけを身につけていた時代から、どれだけの年月が経過したのかを思い出させるきっかけにもなる。

それはもちろん、懐かしい時代を否定することになるかもしれない。Patrick Ewing や Magic Johnson、Bill Walton、Wilt Chamberlain、George Mikan の時代から、膝パッドは少なくとも選手たちを守ってきた。それでも、J.R. Smith の腕を覆うタトゥーを見れば、時代が一変したに気付く。

Allen Iverson は、着飾ることをNBAで始めた人物として広く認知されている。報道によれば、Iverson は2000-01年シーズンに肘の関節炎を患った結果、患部を守り、血行を改善するための圧迫スリーブを身につけるようになったという。彼はその年、2度目の得点王に輝き、ほかの選手たちはスリーブが秘訣だと確信した。

そしてすぐに、Chris Webber や Dwyane Wade を始めとする多くの選手が、圧迫性の高いものへ着替えていった。Kobe Bryant と LeBron James はその後に続いただけでなく、足を覆い隠すことによってそれをさらに進化させると、Vince Carter や Smith もそれを真似た。

NBA広報の Tim Frank によれば、リーグは足を覆い隠すタイツを認めていないとのことだが、タイツとスリーブにはほとんど違いがないように思える。

問題は、全身を圧迫することに意味があるのかということだ。科学的な研究は少なく、その多くはランナーに焦点を当てている。その結果は、よくても見ても賛否両論だ。

アームスリーブはより装飾的なものに思える。」と、ESPN解説者の Jeff Van Gundy は語る。しかし、選手たちは肘、膝、腰、大腿部、臀部にそれらを身につけ、それが選手たちの保護に役立っていることも、彼は指摘している。

現在ニックス戦を解説し、元NBA選手である Wally Szczerbiak は、パッドやレッグスリーブには直接的な効果があるものの、アームスリーブが外見上のものであることに同意している。彼によれば、Anthony は接触から肋骨を守るため、とくに今シーズンはビッグマンとのマッチアップが増えたため、ユニフォームの下にパッドを装着しているという。NFLコミッショナーの Roger Goodell が昨年、NBAの選手はNFLの選手と比べて、腰から下により多くのパッドを身につけていると、語っている。

現役のときは身につけていなかったけど、今ならそうしたいね。」と、Szczerbiak は語り、技術が劇的に向上したことも説明した。彼は日常生活で、今シーズンの Dwight Howard が導入したような、姿勢を矯正するシャツを着ているという。

Szczerbiak によれば、選手たちがベンチで休んでいるときに、圧迫スリーブは筋肉を冷えから守り、疲労の回復や、むくみを減らすことにも役立つとのこと。彼は旅行するときに、圧迫スリーブを身につけるつもりだという。飛行機内の気圧はむくみを引き起こすからだ。

パッドではないアームスリーブやレッグスリーブはプラシーボ効果に過ぎないかもしれないが、「選手たちは縁起を担ぐ。」とも、彼は語っている。もしアームスリーブを身につけたときの試合がいまいちだったら、また試すことはないだろう。逆にシュートがよく決まったなら、何か効果があったと、最後の切り札だと感じるかもしれない。



Tips to translate

  • appendages = (人の)腕
  • slip into = (すばやく)~へ着替える
  • follow suit = 後に続く
  • an ace up one's sleeve = 最後の切り札、奥の手

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