The Red Sox have the best and most lovable closer

原文:USA TODAY


たとえレッドソックスが嫌いでも、38歳のクローザーは愛さなければならない。

ヒゲが嫌いでもいい。ボストンのファンが嫌いでもいい。ファンのことを“gritty”と呼ぶアナウンサーが嫌いでもいい。Dustin Pedroia のリーダーシップが嫌いでもいい。もう一度言おう、ヒゲが嫌いでもいい。

しかし、上原浩治は嫌いになれない。

レッドソックスのクローザーは嫌いになれない存在なのだ。試してみればいい。無理だとわかるだろう。

なぜだろうか。まず第一に、そしてもっとも重要なのは、上原が本当によい選手であるということだ。38歳のクローザーは、MLBの歴史に残る偉大なシーズン記録を締めくくるべく、ポストシーズンの最高傑作を演じようとしている。

0.565という彼のWHIP(Walks plus Hits per Inning Pitched)は、50イニング以上投げた歴代ピッチャーのなかで最高の数字だ。史上最高であり、他を引き離している。Dennis Eckersley が絶頂期の1989年と1990年に残した0.607と0.614が次点になる。

彼は9イニング当たり12.2回、フォアボール1回当たり11.22回の三振を奪った。彼の防御率は1.09である。バカげた数字だ。

つまり、彼は怪物であり、歴史に残るシーズンを過ごした。しかし、それがすべてではない。

クローザーのポジションを獲得する前のシーズン序盤、登板後の喜びの表現でボストン・レッドソックスファンの心を掴んだように、上原はすぐに愛される男なのだ。ダグアウトへ走ると、視界に入った人すべてにハイタッチをする。

上原とハイタッチをしたくなくても、それは問題ではない。とにかく、ハイタッチをしてしまうのだ。



チームは上原を支持するようになった。チームリーダーである David Ortiz と彼は、起こりそうもない友情を築き上げ、ポストシーズンでの愛情表現は勝利のあとの恒例となった。大きな強打者と小さなリリーフ投手が、彼らにしかできないかのように抱き合う。

上原が彼の息子を試合に連れ出し、フィールドでウォームアップをさせ始めると、彼の活躍に関心がなかった一部のベースボールファンも心が和まされてしまった。

38歳の上原は今季、何かを見出した。それは、彼自身がその可能性に気付いていなかったことだろう。そして考えすぎず、もしくは集中し過ぎないように、彼が自身の活躍を楽しんでいるのは明らかだ。彼は大声で叫び、わめき、息子とフィールドで遊ぶ。彼は勝利のために、とんでもない牽制球を投げ、Big Papi の胸に飛び込む。彼は楽しんでいるのだ。

どちらのチームがワールドシリーズを勝つのか、それは誰もわからない。レッドソックスに勢いがあるようだが、第6戦で登板する予定の Michael Wacha が負けるほうに賭ける人はいないだろう。何でも起こりえるが、今季の上原に出会えたことを感謝すべきだ。特別なことなのだから。

Tips to translate

  • melt your heart = 心を和ませる
  • bet against = ~が負けるほうに賭ける

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