Gilbert Arenas Provision: Jordan Clarkson


キャリア最終戦での60得点を置き土産に引退した Kobe Bryant がなき時代を迎えるロサンゼルス・レイカーズは、いよいよ本格的な再建を目指す。2016-17年シーズンのサラリーキャップは前季の7,000万ドルから9,400万ドルへ大幅上昇する見込みであり、大物FA選手を獲得するには最適なタイミングだ。それと同時に、レイカーズにとっては Jordan Clarkson との再契約も重要。というのも、キャリア2年目の契約を終える Clarkson は特殊な制限つきFAとなるため。

Jimmy Butler の事例でも取り上げたように、Qualifying Offer を提示されたあとの Clarkson は他チームと交渉することが可能な一方、レイカーズにも強制残留権が与えられる。ただし、キャリア2年以下の選手は一般的な制限つきFAと違って、さらなる制限が課せられてしまう。キャップルームを超えて再契約できる権利 Bird Rights がそれに大きく関係し(前回の記事を参照)、Clarkson の場合は Gilbert Arenas Provision というルールを優先する。

簡単に言えば、他チームは通常のMAX契約を提示できず、レイカーズの事情に合わせなければならない。契約1年目の額はレイカーズが例外条項を使える範囲の562.8万ドル( Non-Taxpayer Mid-Level exception 相当)、2年目はその4.5%増が上限。Gilbert Arenas Provision の特殊性は3年目と4年目の上限であり、1年目と2年目が最大額であれば、例外的に2,000万ドル以上のMAX額へと跳ね上がる。

この変則的なMAX契約はチームと選手の利益を両立し、レイカーズがキャップルームを使い果たしていた場合でも、他チームの提示を阻止できるようにするもの。もちろん、キャップルームに余裕があれば、レイカーズ自身は再契約1年目からの2,000万ドルを提示したり、他チームにとっての3年MAX契約に相当する各年1,000万ドルで先手を打つことも可能。

実際、Kobe や Roy Hibbert の多額契約から開放されるレイカーズのサラリー事情は余裕たっぷり。一人または二人の大物FA選手に投資するもよし、下位指名で引き当てた Clarkson を堅実に育てるのもよし、計算上では両立もありえる。Andrew Wiggins に次ぐ数字を記録した Clarkson の動向を追えば、レイカーズの方針も見えてくるはずだ。




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