Don't Sacrifice, Play Efficiently


Kevin Durant がゴールデンステイト・ウォリアーズへ移籍した結果、直近にMVPを受賞した二人が合流するという前代未聞のスーパースターコンビを誕生させた。MVP同士が手を組む例は過去にもあったが、Charles Barkley や Shaq、Steve Nash など、キャリア晩年の出来事。恐ろしいことに Durant は28歳、Stephen Curry も28歳、ちょうどキャリアのピークを迎えている。

ボールはひとつしかない。Durant とウォリアーズを懐疑的に見る人たちはそう語る。Shaq にMVPを狙わせたかったロサンゼルス・レイカーズ時代の Phil Jackson は、Wilt Chamberlain が平均48分以上もプレイした偉業を例に挙げ、長時間出場を課したという。

そのシーズンの Shaq は平均40.0分で79試合に出場。40分以上のプレイが47試合、45分以上でも21試合に及ぶ。このように『量』でも試合を支配するプレイスタイルなら、二人のMVPを共存させることは難しいだろう。ここで、歴代MVPが記録した出場時間と、40分および45分以上の試合数を見比べてもらいたい。


かつてのMVPは Allen Iverson を筆頭に、満身創痍でプレイする傾向があった。あの Tim Duncan でさえ、2001-02年シーズンに40分以上の出場を55試合も記録している。つまり、スーパースターへの依存度が近年よりも高かったのだ。

一方、Stephen Curry や LeBron James の省エネでもわかるように、近代バスケのテーマは高効率。そのきっかけが Nash とそのフェニックス・サンズであり、出場時間にも表れている。

2年連続MVPの Curry は「犠牲になるつもりはない」とコメントした。もちろん、自己中心的なプレイを意味するわけではない。「その必要がないからこそ、Kevin はウォリアーズに加入した」と真意を話す。マイナス志向な犠牲のことを考えずに、それぞれが自分の効率をプラスに極めればよい。そして、それがウォリアーズのオフェンス哲学であることは周知の通り

2番手の座にうんざりしている Durant がウォリアーズで目指すものは最初で最後の優勝ではなく王朝。そのために必要なことは犠牲ではなく進化だ。










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