Chris Paul や Paul George、Jimmy Butler などの大型トレードが多発した今夏、その中でも Kyrie Irving と Isaiah Thomas の交換は東1位と2位のチームが決行したこともあって最大のサプライズだろう。Isaiah の伝説的な2016-17年シーズンを振り返る記事と、彼がボストンへ向けて綴った記事を掲載しているので参考にしてほしい。
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前季に平均25得点を記録した選手同士のトレードはNBA史上初の出来事。二人はシュート成功率などの基本スタッツに加えて、ディフェンスを苦手とする数字まで酷似しており、互換性が高いと思えるかもしれない。でも実際は、細かな数字からプレイスタイルを分析すると、そうとも言えないことがわかった。次の表は2016-17年シーズンの数字を比較したものだ。影響力の大きい LeBron James も参考データとして併記した。
決定的な相違は2PTシュートの占める割合。Isaiah の39.7%に対して、Irving は54.4%にも達する。Irving がミッドレンジの2PTシュートを好むためであり、ペイント内の得点比率はほぼ同じだ。一方の Isaiah は3PTシュートを多投しつつ、フリースローの得点も多い。つまり、NBAで常識となった現代の高効率バスケを実践しているのが Isaiah というわけだ。二人のショットチャートを比較しても、その傾向が見て取れる。
さらに興味深いのはアシストによって生まれた得点の割合。Irving が30.4%であるのに対し、Isaiah は43.5%。チームメイトの協力があってこそ、Isaiah は175cmの身長でも平均28.9得点を達成できたのだろう。逆に Irving は個人技が際立っていたと言える。これは良し悪しの話ではなく、あくまでプレイスタイルとチーム戦略の違いだ。ちなみに、ESPNが公開している独自のデータ分析によれば、二人はどちらもポイントガードのランキングでトップ10に入っていない。
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というわけで、二人を単に入れ替えただけではどちらも機能しない可能性がある。Gordon Hayward が同時に加入したボストン・セルティックスはシステム構築に時間を要するだろう。LeBron 不在時に失速するクリーブランド・キャバリアーズも Irving の個人技がなければもっとヒドかったかもしれないので、LeBron への依存度を減らすチャンスと捉えたい。
ブログ:Isaiah Thomas関連記事の第3弾、Kyrie Irvingとのデータ比較を掲載。注目すべきはミッドレンジとチームメイトからのアシスト。基本スタッツが似ていても、二人はまったく異なるプレイスタイルのスコアラー。https://t.co/tuMZR9sFkS pic.twitter.com/BhoR37sjnP
— Hikki Sicks (@hikki76) September 13, 2017
やるべきことが限定された環境から卒業したく、1on1主体も不本意と語るIrving。https://t.co/KtxyQPcWfe
— Hikki Sicks (@hikki76) September 19, 2017
移籍先がBOSだからこその発言ではあるものの、ブログで紹介した数字の意味が少し変わってくる。https://t.co/tuMZR9sFkS pic.twitter.com/1TGMS9qnlS
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