Just like you


練習熱心なNBA選手といえば、誰を思い浮かべるだろうか。まずはやっぱり、Kobe Bryant。そして、Ray Allen。二人はNBA史上でも屈指の完璧主義者だ。その練習意欲はいったいどこから湧いてきたのか、Ray Allen が Sports Illustrated のインタビューで答えている。

周りの人たちから学んだ。どことは断定しにくいけれど、周囲に目を配り、他人がしていること、していないこと、自分を高めてくれることに注目した。常に失敗を恐れていたような気もする。前進しないことへの恐れ。明日、シュートが決まらないかもしれないという不安が常にあった。また外すかもしれない。それがフリースローかもしれないし、3PTシュートかもしれない。起床してまず最初に練習場へ向かうのは、そうしなかったら次の試合を台無しにすると感じてしまうから。こういったことが私の頭を巡っていた。成功するために、失敗しないために練習しなければと。

Ray Allen はまた、引退を正式に発表したときの自筆記事でも自身の裏側を綴っている。マイアミ・ヒートでの優勝を自宅で祝った翌朝、そこに集まった彼の家族や友人たちは酔いつぶれていたが、バスケットボールで成功するためにアルコールを一切飲まないと決心した彼だけはベッドで横になっても眠れなかった。目標を達成したのに落ち着かず、仕方なく向かった場所が歯科医院だったという。優勝の翌日、しかも早朝の出来事だ。

NBAで成功したスター選手のストイックな姿勢は神格化、美化される。強靭な精神力の持ち主だと。しかし、Ray Allen は失敗を恐れ、虚しさを感じることもあった。Kobe Bryant の自筆記事でも同様なことが垣間見え、彼の闘争心はときに嫉妬や執着から生まれた。一方、理想のスーパースター像とかけ離れた言動が批判の対象になっている Kevin Durant は『僕は君たちと何ら変わりない』『スーパーマンになるつもりもない』などと公言する。全盛期中に打ち明けるかどうかの違いはあれど、そんな人間の弱さを見せるのは本当にダサいことなのだろうか。


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