昨年、Carmelo Anthony と Paul George をトレードで獲得したオクラホマシティ・サンダーはいわゆるBIG3を結成。同時に1年間のレンタル移籍とも言われていた。両選手の契約最終年がオプションになっており、本人たちの意思で今夏にフリーエージェントを選べるためだ。
二人の契約オプションは別種なのが特徴で、Paul George のそれが一般的な Player Option である一方、Carmelo のそれは Early Termination Option(以下、ETO)と呼ばれる少し特殊なものだ。そこでその違いを詳しく確認しておこう。
まずは、複数年契約の最終年に付加できる条項が Player Option。その権利は選手側にあり、行使すれば契約を1年延長でき、破棄すれば最終年を待たずに契約終了のフリーエージェントとなる。ちなみに、同様の権利がチーム側にある場合は Team Option と呼ぶ。
そして、5年契約の最終年にのみ付加できるのが ETO。その権利は選手側に限られ、行使すれば1年早く契約を終了させてフリーエージェントとなる。残留か否かの視点で見れば、Player Option との違いはなく、それぞれ延長の権利、早期解約の権利と考えればよい。
ただし、Carmelo のようにトレードボーナスが付加されていた場合、Player Option ではなく ETO を契約に含めたほうが有利。トレードボーナスとは文字通り、トレードされたときに手当てが発生するもの。その金額はトレード時に残っている契約年数の総額で決まり、Player Option はそれに乗らないが、ETO は計上される。
なお、これらのオプションを行使したり破棄してフリーエージェントになっても、他チームへの移籍が確定するわけではない。キャップルームの範囲を超えて再契約できる権利(Bird Rights)が引き継がれ、新たに長期契約を結ぶことも可能。
ではなぜ、似たような条項が存在するのか。それはかつて可能だった6年契約の残骸だから。2010-11年シーズンまでのNBAでは6年契約の5年目に ETO、6年目に Player Option を重ねて付加できたのだ。近年の代表例を挙げると、6年契約でマイアミ・ヒートへ移籍、4年目終了後に ETO を行使してクリーブランド・キャバリアーズへ戻った LeBron James が当てはまる。
編集後記:同じ5年契約ならPlayer Optionは4年+1年、Early Termination Optionがそのまま5年と解釈できる。だから、Carmeloが契約を破棄せずに残留するのはごく自然で、減額を申し出る義務もない。Paul Georgeの場合は残留と移籍の可能性が五分五分。契約内容的に言えば。https://t.co/d2a5IaNLvl pic.twitter.com/onJTvdC9Do
— Hikki Sicks (@hikki76) June 27, 2018
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